自分の心臓の上あたりに手をおいて、鼓動を感じてみる。
かすかに、ドックドックと脈打つ感覚が感じられる。
しばらくそうして心臓の鼓動を感じていると、涙がこみ上げてきた。
私が幸せな時も、不幸な時も、もう生きていたくないとか、こんな自分なんてとか、自分の体に意識すらむけてあげられなくて、いたわってあげられなかった時でさえ、ただ黙って、私を生かし続けてくれた私の体。
こんな健気な存在があるだろうか。
あるのかもしれないが、私たちの体は全て健気な存在だ。いや、健気なんて、恐れ多いのかもしれない。私たちはなにかわからないなにかのおかげで生かされている。
体はこれからも、この世を卒業するまで休む事なく動き続けてくれるんだ。
そう思うとありがたくて、やっぱりじわりと涙がにじむ。
私の体、ありがとう。